一家に1枚「ウイルス」

ウイルスってなに?

表記は「ウイルス」で合っている?

学術用語の「ウイルス」

ウイルスは英語では「Virus」です。「Virus」はラテン語で「毒素」を意味する言葉です(注1)。この「Virus」は日本語に訳した時にどう表記するのでしょうか。実は1965年に日本ウイルス学会が「ウイルス」を統一した学術用語として使用することに関する要望書を出しています(1)。学会の名前を見てみても「日本ウイルス学会」や「日本臨床ウイルス学会」などで「ウイルス」が使用されています。

「Virus」の日本語表記の歴史

濾過病原体の存在(後のウイルス)が発見されたのが1892年で、これが1898年に「Virus」という言葉を用いて論文で表記されるようになりました(「ウイルスの発見」のページを参照)。1908年に発行された日本語の学術雑誌、「細菌學雑誌」の記事に「ヴイールス」や「ヴイルス」という表記が見られます(2)。1943年に公表された医学用語集には「ウィールス、ビールス」と掲載されました(1)。その後、1953年の日本ウイルス学会の設立時には学会の名称に「ウイルス」が採用されました(1)。