一家に1枚「ウイルス」

ウイルスってなに?

ウイルスと細菌はどう違うの?

ウイルスと細菌の違い

ウイルスと細菌は全くの別物です。細菌は生物ですが、ウイルスは生物とは言い切ることができず、生物と非生物の中間的な存在です。ウイルスと細菌の違いの一つが、細胞かどうかです。細菌は単細胞の生物であり、細胞分裂により増殖します。基本的には、栄養素さえあれば、自身のみで増殖できます(注1)。一方、ウイルスは生物の細胞に感染する複合体で、細胞ではありません。ウイルスは生物の細胞に入り、その中で細胞の機能や構造に依存して増殖します。

ウイルスは細菌よりも小さい?

ウイルスは細菌よりも小さいと思われているかもしれません。しかし、ウイルスの大きさや細菌の大きさは種によって様々であり、一概にウイルスは細菌よりも小さいと言うことはできません。例えば、コロナウイルス(100から200 nmほど)は大腸菌(短径が500 nmほど)よりも小さいですが、巨大ウイルスであるピソウイルス(短径が900 nmほど)は細菌であるマイコプラズマの一種(Mycoplasma genitalium; 短径300から400 nmほど、長径600から700 nmほど)よりも大きいことが知られています。

ウイルス感染症と細菌感染症の予防と治療

ウイルスや細菌にはヒトに感染症を引き起こすものが存在します。一部のウイルス感染症や細菌感染症はワクチンで予防できます。例えば、インフルエンザワクチンはインフルエンザウイルス感染後のインフルエンザの発症を予防します。一方、肺炎球菌が原因の細菌感染症の発症予防には肺炎球菌ワクチンを用います。
治療には、ウイルスの感染増殖を抑えるものとして、抗ウイルス薬や中和抗体薬などが用いられます。一方、細菌の増殖を抑えるものとして抗菌薬が用いられます。有効な治療薬がある感染症もありますが、そうでないものも多く存在します。

ウイルスと細菌の違い:画像
ウイルスと細菌の違い