一家に1枚「ウイルス」

自然環境から人間社会へ

昆虫が海外から運んでくるウイルス

イネのウイルス病を媒介するウンカたち

トビイロウンカとセジロウンカ、ヒメトビウンカの3種類のウンカは、体長5mmほどの小さな昆虫ですが、東シナ海上空の下層ジェット気流が発達する6月から7月には、わずか1~2日間で1,000km以上の距離を飛行し、中国南東部から日本に飛んできます。これらのウンカはイネのウイルス病の原因ウイルスを媒介します。中国南東部からウンカと共にウイルスが飛来し、日本のイネにうつり、ウイルス病を引き起こすことがあります(注1)。昆虫の飛来も海外からのウイルスの侵入経路の一つです。

ウンカの飛来予測技術

東シナ海上空の風向きや風速などから、ウンカの飛来日や飛来する可能性がある地域を予測できます。飛来の予測地図はインターネット上で公開されており、水田でのウンカの防除に活用されています。

左から「トビイロウンカ」、「セジロウンカ」、「ヒメトビウンカ」:画像
左から「トビイロウンカ」、「セジロウンカ」、「ヒメトビウンカ」
イネ縞葉枯病(ヒメトビウンカが原因ウイルスを媒介):画像
イネ縞葉枯病(ヒメトビウンカが原因ウイルスを媒介)
イネ南方黒すじ萎縮病(セジロウンカが原因ウイルスを媒介):画像
イネ南方黒すじ萎縮病(セジロウンカが原因ウイルスを媒介)