一家に1枚「ウイルス」

ウイルスってなに?

ウイルスって生物なの?
生物じゃないの?

生物なの?非生物なの?

ウイルスは生物か非生物か、これはとても難しい質問です。研究者の中でも意見が割れており、生物だとする研究者もいれば、生物ではないとする研究者もいます(1)。一方、理科教科書では、ウイルスは生物でもないし非生物でもない、中間的な存在だとされています(注1)。

生物か非生物か論争

ウイルスが生物かどうかを判断するには、まず生物の定義を決め、それに照らし合わせて判断する必要があります。例えばある研究者は、ウイルスは生物ではないと考えています。ウイルスは細胞の機能や構造などを利用して増えるので、細胞に依存せずには増殖できません。この研究者は、自己増殖能(注2)を生物の条件の一つとして提唱し、ウイルスは自己増殖能がないことを生物ではない理由の一つと考えています。一方、他のある研究者は生物だと考えています。ウイルスはDNAやRNAを構成要素とする遺伝物質を持ち、感染・増殖を繰り返す中で遺伝情報が変化します。この研究者は、生物を「遺伝情報を持ち進化するもの」と定義づけ、ウイルスはそれを満たすことから生物だと唱えています。

動物細胞へのウイルス感染の模式図:画像
ウイルス感染の模式図