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東南アジア ファーマコゲノミクス研究ネットワーク-アジアでの層別化医療の構築をめざして

2012年、理研はアジア5か国(韓国、インドネシア、マレーシア、台湾、タイ)と共同で、東南アジア ファーマコゲノミクス研究ネットワーク(SEAPharm)を設立しました。参加国は着実に増えており、2014年にシンガポール、2016年にベトナム、2017年にネパール、ラオス、フィリピン、2018年にはブルネイとミャンマーが参入しました。このネットワークの目的は、スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症を含む重篤な薬疹や肝障害などの薬物による副作用に関連するゲノム上のバイオマーカーを同定すること、参加国の若手研究者を技術的に支援し育成すること、そして国際セミナーやワークショップを開催することです。

最近、SEAPharmは東南アジア、南アジア、中東、南ヨーロッパの12か国から得られた約2000人のゲノムDNAサンプルから、次世代シーケンス解析を用いて薬物動態関連100遺伝子における遺伝子変異を明らかにする新規プロジェクトを立ち上げました。生命医科学研究センターでは、理研が開発したPKseqパネルを用いたターゲット・シーケンス解析を担当し、アジア人の薬物代謝酵素と薬物トランスポーターにおける多くの遺伝子変異を報告しました。これらの知見から、薬物反応性の集団間の違いを説明できうるうえ、今後のファーマコゲノミクス研究を加速して、臨床現場において遺伝子型を基にした層別化医療の実現につながると期待できます。

東南アジア ファーマコゲノミクス研究ネットワーク(SEAPharm)の参加国

図: 東南アジア ファーマコゲノミクス研究ネットワーク(SEAPharm)の参加国

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