代謝ネットワーク研究チーム

私たちはスクリーニング技術の経験を活かし、ミトコンドリアと加齢性疾患を繋ぐ重要な因子、またミトコンドリア機能の回復を可能とする薬剤の同定を行なっています。私たちは以下のテーマで研究を進めています。

 

 

ミトコンドリアと炎症
 

私たちは炎症機構の1つであるNLRP3インフラマソームとミトコンドリアの関係性を研究するため、インフラマソームを活性化、また阻害できる薬剤を化合物スクリーニングにより同定しました。特に活性化作用が強かったニクロサミド(ミトコンドリア阻害剤)の作用機序を解析することで、ミトコンドリアと解糖系のATP産生が連携してインフラマソームの活性化に繋がることが分かりました。

 

私たちはこのスクリーニングプラットフォームをさらに活用し、様々な環境有害物質、粒子がどの様にインフラマソームを活性化しているか、代謝ネットワークに重点を置きながら研究しています。


ミトコンドリアとパーキンソン病

 

私たちはパーキンソン病において、ミトコンドリアのストレスがどのように神経細胞の細胞死を引き起こすかを研究しています。共同研究先のルクセンブルク生命医科学システム研究センターと力を合わせ、化合物スクリーニングとメタボローム解析を組み合わせた手法を用い、ミトコンドリアのストレスが代謝ネットワークに与える影響を詳しく解析しています。私たちはミトコンドリアストレス応答機構を理解することで、神経細胞の細胞死を遅らせる、又は防ぐ方法を研究しています。