Joint Graduate School 連携大学院

学生インタビュー
横浜市立大学連携大学院所属:

宮島 優里奈 (免疫細胞システム研究グループ)

早稲田大学 教育学部 卒業
横浜市立大学 生命医科学研究科 博士前期課程 所属

私は早稲田大学在学時、理研の研究員の方の免疫の講義を受けたことで免疫学に興味を持ち、 トップレベルの研究を行う理研で研究したいと思うようになりました。大学には免疫学の研究室がなかったため、 進学先を決める際、理研で研究できる横浜市立大学大学院への入学を決めました。横浜市立大学院は理研と同じ 敷地内にあるため、授業や手続きなどがあるときもとても便利で、研究にすべての時間を使うことができます。
 私の所属する研究室は理研でも珍しく学生、スタッフが多い研究室です。研究では各個人でテーマが違い、1つの プロジェクトを遂行する責任を強く感じますが、GDをはじめ、研究員や先輩、スタッフのサポートがあり自身の 手技や知識を向上させるとても良い環境だと感じています。また、理研では免疫界を代表する有名な先生のセミナーや 様々なイベントに参加できること、さらには英語が身近であるという点でとても貴重な学生生活を送っています。
 また、免疫学会主催の免疫ふしぎ未来や理研の一般公開などのアウトリーチ活動にも参加しています。 今後も科学の魅力を伝えるとともに、自身の研究を進めることで社会貢献できるよう頑張りたいです。



鉄 啓恵 (免疫細胞システム研究グループ)
茨城大学 工学部 卒業
横浜市立大学 生命医科学研究科 博士後期課程 所属

私は、横浜市立大学院の連携大学院制度を使用して理研で研究を行っています。横浜市立大学は6月に研究室配属が決定します。しかし、7月までは授業があるため、研究室で1日中実験が行えるようになるのは8月になってからです。授業の合間に研究室へ行くことも可能ですが、私は選択した授業が詰まって入っていた為、8月の授業が終わるまではなかなか研究室へ行くことが出来ませんでした。ただ、前期ですべて単位を取ってしまえば、今後授業はありません。研究が始まってからは、市大に行くのは図書館を利用するときくらいで、研究室で一日を過ごしています。 理研での生活は大学で送る院生活とは少し違うかもしれません。しかし、研究者の方と同じ環境で研究が出来ること、また、毎週のようにセミナーが開かれており、様々な分野で活躍されている研究者の方のお話を聞くことが出来ることがとても魅力的だと思います。




髙橋 苑子 (組織動態研究チーム)
北里大学 理学部 卒業
横浜市立大学 生命医科学研究科 修士課程 所属

学部4年生の時は北里大学の外研先として理研で研究していました。 当時私は免疫に興味があったので、B細胞の研究を行っている理研の研究室に入ることを決めました。 イメージングに力を入れている研究室なので、顕微鏡を扱うことが多いです。理研には、共焦点顕微鏡も、2光子顕微鏡もあり、 おそらく皆が口をそろえて「設備がとてもいい」と言うと思います。
 修士からは連携大学院の横浜市立大学に所属しています。 4月~7月までほぼ1日中授業があり、実験はほとんど進まないのでもどかしかったです。 しかしその時期に全ての単位を取ってしまえば、8月以降は授業を取らなくてもよいので実験に集中できます。 また、理研にいると博士進学が当たり前で就活はさせてもらえないと思っていましたが、就活に反対されませんでした。
 理研には、普通の学生生活とは異なり、おそらく大学にはない研究環境がそろっていて、それは良くも悪くも自分にとって プラスになると思います。個人的には、周りの研究員や博士過程の学生を見て、自分がいかに未熟かわかったのもメリットでした。 理研に入るのは不安が多いかもしれませんが、良くするのも悪くするのも結局自分次第だと思います。



慶應義塾大学連携大学院所属:

古市 祐樹(皮膚恒常性研究チーム)
慶應義塾大学 医学部 卒業
慶應義塾大学 医学部 博士課程 所属

私は慶應義塾大学で皮膚科医として働きながら、博士課程に入りました。 教授が理研IMS皮膚恒常性研究チームのチームリーダーを兼務しているご縁で、大学の研究室ではなく、皮膚恒常性研究チームで研究しています。とのため、慶應大学博士課程の学生ですが、 ラボミーティングなどを除き、ほとんどの時間をこちらで過ごしています。理化学研究所では大学院生リサーチ・アソシエイト(JRA)に採用いただき、様々なバックアップをしていただいております。 MDで博士課程に入ると、大学や、病院と同じ敷地内の施設で研究し、ある程度臨床に携わります。こちらにきた当初は、臨床の現場から離れ、研究施設に所属することになるため、 少なからず不安がありました。しかしそのことで、研究に没頭することができ、限られた博士課程の時間をより効果的に使えることにつながると思っております。理化学研究所では 研究室や分野横断的なイベントがいくつも開催されており、医師をしているときに接する機会の少ない方々と接することができました。ここに来るまでは、臨床・研究医としてのキャリアアパスに、このような選択肢があるとは思ってもみませんでした。もし機会があれば、ご検討ください。




山菅 駿 (免疫細胞システム研究グループ)
東京薬科大学 生命科学部 卒業
慶應義塾大学 医学研究科 修士課程 所属

僕は大学院からではなく、学部4年生の頃から理研で研究を進めています。
元々僕は"外研で免疫学を学ぶ"ということを軸に研究室を探していたので、外研にいくことを前提として大学の研究室に所属し、すぐに外の研究室を探し始めました。 色々な研究室にアポを取ってお話を聞かせていただいて、悩み抜いた結果一番入りたかった研究室に受け入れ承諾をいただくことができたのは本当に幸運でした。 無事に大学院の試験に合格し、10月の中旬という非常に遅い時期から研究室に通い始めましたが、それでも卒論発表には 間に合いましたし、来る時期に"遅すぎる"なんてことはない!と思っています。
 理研が大学の研究室と一線を画していると感じるところは、職場であるということです。
このことをメリットと感じるかデメリットと感じるかは人それぞれだとは思いますが、僕は大きなメリットであると思っています。
研究を仕事にしている人が大半を占める場所で研究をすることで、同級生が理研に比べ多い大学の研究室では知り得なかった研究に対する基本的な姿勢や考え方、ディスカッション能力の 向上な様々なことを学ぶことが出来たと感じています。 この環境は研究をしたいと本気で思っている学生にはうってつけの場だと思いますし、特に研究職に就こうと思っている人、博士過程に進学しようか悩んでいる学生はぜひ理化学研究所に来ることをお勧めします!



千葉大学連携大学院所属:


椙下 紘貴 (免疫器官形成研究グループ)
星薬科大学 薬学部 卒業
千葉大学大学院 医学薬学府 医科学専攻 修士課程 所属

大学院を探しているときにHPで理研の連携大学院制度を知り、千葉大学を受験しました。 所属している免疫器官形成研究グループには私しか学生がいないので少し寂しいときもありますが、研究員や テクニカルスタッフの方々は皆さん優しく、日々楽しく過ごしています。 普段、私は朝9時に来て、夜7時くらいに帰っています。研究室の研究員の方々は無理に遅くまで実験をせず、 限られた時間内で仕事をして結果を出しているので、時間の上手な使い方を学べます。 またPIは週に1回、一対一でミーティングの機会を設けてくれ、研究の指導や普段の悩みなど相談に乗ってくれます。また、普段の生活で他の研究員の方とも気軽に話せて、色々な知識が自然と入ってきます。
 IMSでは学生勉強会があるので、他のラボの学生との交流の機会もあり、様々な大学、様々なバックグラウンドの学生と話すことができます。友達もできるので、大学にいるのと変わらないような楽しい理研生活を送れていると思います。 大学院の授業は1年生のうちは週に数回、片道2時間かけて千葉大まで行かなければならないので少し大変です。 理研で研究するという選択は私にとっては良かったと思います。


大阪大学連携大学院所属:

宮井 智浩 (免疫細胞再生研究YCIラボ)
広島大学 生物生産学部 卒業
大阪大学大学院 生命機能研究科 修士課程 卒業
大阪大学大学院 生命機能研究科 博士課程 所属

私は修士1年の7月から理研IMS(旧RCAI)で研究生活を送っています。初めは周りの人と違う選択をすることが不安でしたが、 理研での生活は充実しており、この道を選んで良かったと心から感じています。
(理研で大学院生活を送るメリット)
JRAという博士課程学生向けの経済支援プログラムがあること。また、大学に比べて研究室間の壁が低い ことに驚きました。学生同士の縦・横のつながりも強く、いろいろなバックグラウンドを持つ人が 周りにいるのはすごくいい環境だと思います。また、国際交流の機会も充実しています。 毎年RISPというサマープログラムが理研で開催され、各国から多くの学生が理研に集まります。さらに、 ドイツ・ベルリンで行われるサマースクールへの派遣も行われており、 私も昨年参加させていただきました(写真はその時のものです。本人 右から1人目)3週間の滞在中、世界中から集った学生たちと交流し、 非常に良い経験となりました。
(授業について)
私の所属する研究科は5年一貫制で、授業は修士1年の前期に集中して行われます。修士1~2年で集中講義が 開講されるため、何度かは大阪へ戻らないといけませんが、博士課程ではその必要はありません。
自分が求めれば、これほどいろいろな経験ができる環境は他にないと思います。あなたも理研での大学院生活を送ってみませんか?



連携大学院制度以外

村上 龍一(免疫恒常性研究チーム)
東京大学 薬学部 卒業
東京大学 薬学系研究科 修士課程 卒業
東京大学 薬学系研究科 博士課程 所属

私は、修士課程から免疫学の研究をはじめました。複雑である一方で洗練された免疫系に魅力を感じ、博士課程では最先端の免疫学研究を行いたいと考え理研に来ることを決意しました。私が所属する学科には理研との連携大学院制度がなかったのですが、当時所属していた研究室の教授に“最先端の免疫学研究がしたい”と直談判した結果、幸いにも共同研究契約という形をとってくださり、理研に来ることが出来ました。
 理研では、豊富な実験器具や試薬などがあり、自分が行いたいと思ったことが大概できます。また、様々な分野のプロフェッショナルの先生もいらっしゃるので、実験などで困った際には相談にのっていただけることができ、自分の研究の視野を拡げるという意味で非常に魅力的な場だと思います。一方、豊富な材料に埋もれ、何が大切な実験なのか?、何を知りたいのか?という目的を見失いがちです(私も実際そうでした)。ですので、何をやりたいのか?などしっかり自分の意志をもって理研で研究されることをおすすめします。そうすれば、理研はこの上なく魅力的な研究環境だと思います。
 私が理研に来て以来、学生の数が増えてきました。ですので、寂しい思いをすることもなく、学生同士でディスカッションをしたり、遊んだり、いい意味で研究を競ったりしています。
 私個人の感想ですが、理研にきてよかったと思っています。 




渡辺 栄一郎 (消化管恒常性研究チーム)
秋田大学 医学部 卒業
東京大学大学院 医学系研究科 博士課程 所属 

私は医学部を卒業してから8年間臨床の現場で外科医師として働いてきました。 小児外科専門医取得を契機に大学院進学を考え、2014年春から消化管恒常性研究チームの一員として研究を行っています。 東大との共同研究のため連携大学院制度を利用していません。 学生時代を含め基礎研究にほとんど関わりを持たなかった私にとって、理化学研究所で過ごす日々は予想以上に厳しいものでしたが、 多くの研究者や博士・修士課程の方々に支えられながら、確実に成長することができています。 また、所帯を持っているため、理化学研究所独自の大学院生リサーチ・アソシエイト制度を利用しつつ、 土日を利用してアルバイトをしながら生活しています。さらに、週に一度、東京大学で統計学の勉強と臨床研究を行っています。 大学院という大変貴重な時期を既存の殻を打ち破り、全く新しい環境で過ごしてみたいと考えている医師の方々は是非、 理化学研究所での研究生活を考えてみて下さい。慣れない環境での生活には少なからず不安もあるでしょうが、経験した事のない驚きと感動が皆様を待っています。




加藤 大雅 (メタボローム研究チーム)
東京大学 薬学部 卒業
東京大学大学院 薬学系研究科 修士課程 卒業
東京大学大学院 薬学系研究科 博士課程 所属

私は平成26年度より、東京大学大学院からの外部委託研究という形で理研IMS メタボローム研究チームに所属しています。 そのため、理研で研修生として研究をしていますが、連携大学院制度を利用していません。 東大院薬の博士課程には必修の講義が存在しないため、月曜日午前中の大学のラボセミナーを受ける以外には、基本的に理研に通っています。
 大学とは異なり、教育機関でない理研には学生のための講義が存在しません。よって、自分が所属する大学院での教育が基本となります。また理研研究者の大半が院卒業後の研究員であるため、ラボによってはほとんど学生がおらず同年齢の層が薄いことはデメリットであると言えます。しかしその点を補うために、私たちは週に一度学生主体の勉強会を開いており、勉強の面以外でも同メンバーで定期的に交流を図っています。また、理研ではラボ間の交流が大学よりも濃厚で、他のラボ主催のセミナーやディスカッションに自由に参加する事が出来ます。海外からも多くの研究者が来訪するため講演会の頻度も多く、より多分野に渡ってグローバルな最先端の知識を得る事が出来る点は、理研の大きなメリットだと思います。