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第12回国際薬理遺伝学研究連合(Global Alliance for Pharmacogenomics: GAP)会議 開催報告

2015年09月11日 NEWS

国立研究開発法人理化学研究所(松本紘理事長)統合生命医科学研究センター(小安重夫センター長)は2015年9月9日(水)、10日(木)の2日間にわたって、横浜・ランドマークタワー内会議施設にて、第12回国際薬理遺伝学研究連合(Global Alliance for Pharmacogenomics: GAP)会議を開催いたしました。
 GAPは、2008年4月に米国国立衛生研究所(NIH)薬理遺伝学研究ネットワーク(PGRN)を形成しているNIH所属の国立一般医学研究所(NIGMS)、国立がん研究所(NCI)、国立心臓・肺・血液研究所(NHLBI)と旧理研ゲノム医科学研究センター(CGM)が、薬剤の効果や副作用と個人の遺伝的要因との関連解明に向け設立したもので、これまで各々の研究特性を生かした連携研究を精力的に実施してきました。
 CGMは、2013年に統合生命医科学研究センターとなったのちも、プロジェクトの連携をさらに強化していくため、連携研究の開始当初より日米両国が交互に主催している本会議を今年は理研主催で横浜にて開催することとなりました。また、今回は、PGRNが2015年7月1日より組織改編してから初めての開催となりました。
 会議第1日目は、久保充明副センター長による開催の挨拶に続き、PGRNのKathy Giacomini教授(カリフォルニア大)より、PGRNの第4期開始に伴う新たな研究体制についての説明がありました。その後Pharmacogenomics Implementationというテーマのもと、PGRNのPIであるMark Ratain教授(シカゴ大)より、遺伝子情報を利用した投薬システムの導入についての状況報告がなされた他、Dick Weinshilboum教授(メイヨークリニック)は、メイヨークリニックでの薬理遺伝学によるオーダーメイド医療を目指した取り組みの報告がありました。またIMSの莚田泰誠グループディレクターは、カルバマゼピン・ワルファリンの薬剤副作用に関する臨床応用の展望について発表しました。
 さらに、PGRNより今後の連携研究の候補として3つの新規課題の提案があり、IMSと新たな共同研究を実施する課題を選定するための活発な議論がなされました。
 その他、招待講演としてIMSの大関健志研究員が、薬剤副作用の決定因子としてのHLAハプロタイプ関連解析の進歩と展望について発表しました。
 2日目は、現在進行中の複数のプロジェクト毎に個別会合を実施し、PGRN/IMS双方の各プロジェクト担当者らが直接顔を合わせ、活発な議論が行われました。さらに日米側の研究実施責任者らによるリーダーシップ・ミーティングを実施し、組織改編後のPGRNとIMSとの今後の連携の進め方を確認し合い、会議は盛況のうちに終了しました。

参加者集合写真 参加者集合写真