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第10回国際薬理遺伝学研究連合(Global Alliance for Pharmacogenomics: GAP)会議

2014年06月27日 NEWS

 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)統合生命医科学研究センター(小安重夫センター長代行)2014年6月25日(水)、26日(木)の2日間にわたって、横浜・ランドマークタワー内会議施設にて、第10回国際薬理遺伝学研究連合(Global Alliance for Pharmacogenomics: GAP)会議を開催いたしました。
 GAPは、2008年4月に米国国立衛生研究所(NIH)薬理遺伝学研究ネットワーク(PGRN)を形成しているNIH所属の国立一般医学研究所(NIGMS)、国立がん研究所(NCI)、国立心臓・肺・血液研究所(NHLBI)と旧理研ゲノム医科学研究センター(CGM)が、薬剤の効果や副作用と個人の遺伝的要因との関連解明に向け設立したもので、これまで各々の研究特性を生かした連携研究を精力的に実施してきました。
 CGMは、2013年に統合生命医科学研究センターとなったのちも、プロジェクトの連携をさらに強化していくため、連携研究の開始当初より日米両国が交互に主催している本会議を今年は理研主催で横浜にて開催することとなりました。
 会議第1日目は、久保充明副センター長による開催の挨拶に続き、現在共同で実施しているプロジェクトである、「Addition of bevacizumab to standard carboplatin-paclitaxel chemotherapy in patients with advanced ovarian cancer(進行性卵巣がん患者の一般的なカルボプラチン・パクリタキセル化学療法へのベバチズマブの追加について)」、「Systems Pharmacology: genomic discoveries in a minority population(システム薬理学:少数民族における薬剤関連遺伝子発見について)」、「Updates on CALGB 80303(がん・白血病研究グループB 80303の進捗状況)」、「Patients Experiencing Breast Events While Receiving Aromatase Inhibitors for Early Breast Cancer on NCIC CTG Trial MA.27(カナダ国立がん研究所臨床研究グループ Ma.27臨床試験における初期乳がんのアロマターゼ阻害剤投与中に乳がんの再発を起こした患者について)」「Pathway GWAS: Expanding the universe of asthma pharmacogenetic studies(ゲノムワイド解析を用いた疾患パスウェイ:喘息の薬理遺伝学研究の発展について)」等の進捗報告が行われました。さらに、PGRNより今後の連携研究の候補として5つの新規課題の提案があり、IMSと新たな共同研究を実施する課題を選定するための活発な議論がなされました。また、招待講演としてIMSの桃沢幸秀研究員が、ターゲットリシークエンス解析の新たな手法について発表しました。
 2日目は、現在進行中の複数のプロジェクト毎に個別会合を実施し、PGRN/IMS双方の各プロジェクト担当者らが直接顔を合わせ、活発な議論が行われました。さらに日米側の研究実施責任者らによるリーダーシップ・ミーティングを実施し、来年の組織改編を目前としたPGRNとIMSとの今後の連携の進め方を確認し合い、会議は盛況のうちに終了しました。

参加者集合写真
参加者集合写真