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IMSについて
生命の謎を解き明かし、未来へつなぐ――IMSセンター長からのご挨拶
理化学研究所 生命医科学研究センター(IMS)のホームページをご覧いただきありがとうございます。このたび、2025年4月よりセンター長を拝命いたしました。長い伝統を持つIMSの新たな歴史を、皆さまと共に築いていくことを心より光栄に存じます。
IMSは、これまでに免疫学、ゲノム科学、そしてトランスクリプトーム研究といった分野の研究センターが融合し、それぞれの強みを結集することで発展してきました。 さらに2025年からは、構造生物学とデータサイエンスの領域も加わり、学際的な統合研究の基盤がいっそう強化されました。 現在では、統合的な医科学研究を担うセンターとして、約500名、68の研究室を擁する大規模な研究拠点となっています。 これらの融合と拡充の歴史そのものが、異なる学問領域を横断して新しい価値を生み出すIMSの特長を物語っています。
IMSの使命は、生命現象をあらゆる階層で解明することです。分子や細胞から臓器、さらには個体に至るまで、生命の仕組みを統合的に理解することを第一義としています。そのために、ヒト免疫システムの統合解析、 臓器間連関に基づく病態研究、非コードゲノムの探索、そして多層的オミクス解析や人工知能を駆使した革新的手法を推進しています。これらの取り組みはすべて、 研究者一人ひとりの好奇心(Curiosity-driven research)に根ざしており、その成果が結果として社会や医療に役立つMission-oriented Scienceへとつながっていくものと考えています。
IMSのもう一つの大きな特長は、その「場」にあります。研究職、技術職、事務職が互いを尊重し合い、一つの家族のように支え合う文化を大切にし、さらに育んでいこうとしています。 研究者の独創的な発想を技術スタッフが最先端の実験基盤で支え、事務スタッフが安心して研究に専念できる環境を整える。この「One Family」の精神を大切にすることで、自由闊達な議論と挑戦を可能にし、 IMSならではの研究文化を今後さらに豊かにしていきたいと考えています。
さらにIMSは、国内外の研究機関と緊密に連携し、国際共同研究を積極的に推進しています。ヨーロッパ、北米、アジアの拠点との協力を深め、世界的な研究ネットワークのハブとしての役割を担っています。 学問的な独創性と国際的な広がりを兼ね備えたこの環境から、次世代のライフサイエンスが育っていくことを強く期待しています。
最後に、IMSのあらゆる活動は「次世代のため」にあります。若い研究者が挑戦し、成長し、世界に羽ばたくための舞台を築くことこそ、私たちの最大の責務です。そのために、失敗を恐れず挑む姿勢を尊び、信頼と対話に基づく文化をさらに育ててまいります。
理化学研究所IMSは、生命医科学のフロンティアを切り拓く拠点として、これからも世界と社会に貢献してまいります。どうぞ引き続きご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。
天谷 雅行

天谷 雅行