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マルチオミクスと深層学習による抗がん剤奏効予測

2023年02月14日 NEWS

医科学数理研究チーム 角田 達彦 チームリーダーの研究グループは、3種類のマルチオミクスデータから患者固有の抗がん剤反応を予測する、深層学習を用いた新しい手法DeepInsight-3Dを提案しました。その手法では、構造化されたデータを画像に変換することで、入力データの高次元性に強く変数間の複雑な関係をモデル化する能力をもつ畳み込みニューラルネットワークを使用することができます。特にこの枠組みでは、画像の追加チャンネルを効果的に使用して、異なるオミックス層からのデータを統合し、それらの間の関係を潜在的に符号化できることを実証しました。その結果、DeepInsight-3Dは上記の応用に対し、他の最先端の手法を凌駕することがわかりました。本提案手法により、将来的に、個人ごとのがんに対するより良い個別化治療戦略の策定を促進することが期待できます。

原論文情報:

Alok Sharma, Artem Lysenko, Keith A Boroevich, Tatsuhiko Tsunoda, "DeepInsight-3D architecture for anti-cancer drug response prediction with deep-learning on multi-omics", Scientific reports, 10.1038/s41598-023-29644-3

お問合せ先:

角田 達彦(理化学研究所生命医科学研究センター医科学数理研究チーム・チームリーダー、東京大学大学院理学系研究科/新領域創成科学研究科・教授)