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谷内一郎GDが第16回日本免疫学会賞を受賞

2013年10月15日 NEWS

谷内一郎グループディレクター(免疫転写制御研究グループ)が「転写因子によるT細胞分化制御機構の解明」の業績で第16回日本免疫学会賞を受賞しました。

CD4遺伝子のサイレンサー結合因子としてRunxファリミーを世界に先駆けて同定し、この研究領域に格段の理解と発展をもたらしたこと、さらにヘルパーT細胞のマスター転写因子ThPOKの制御にもRunxが関与する可能性を着想し、ノックイン変異導入を駆使した先進的アプローチにより、ThPOKとRunxが相互拮抗的な抑制を行うことを証明し、これがヘルパー/キラーの分化を決定する中心機構であるという重要な概念を確立したことが高く評価されました。さらに、最近ではこの相互拮抗的な抑制を経た分化決定に可塑性があることを示すなど、この領域の研究に大きなインパクトを与え、今後は、まだ同定されていないTCRとThPOKを繋ぐ分子スイッチの探索や、分化可塑性の維持と系列の安定化という相反的な課題の追究など、研究の発展が大いに期待されています。

本賞は、免疫学の進歩に寄与する独創的で顕著な研究成果を発表し、なお将来の発展を期待し得る学問的に優れた50歳以下の研究者に対し、与えられるものです。