核酸診断技術開発ユニット

研究内容

 

生物が持つ遺伝情報物質であるゲノム情報(配列)を調べる「遺伝子診断」は、予防的医療や治療法の改善につながる可能性を持っています。例えば、ヒトの遺伝子の配列の一部を調べることで、特定の病気に対するかかりやすさや、薬に対する副作用の現れ方を予測することが可能です。また、感染症における病原体 (細菌やウイルス) の検出では、病原体のゲノムを遺伝子診断によって検出することで、従来の方法よりも高感度に、さらにはゲノムの変異(ゲノムの進化)によって引き起こされる薬剤に対して耐性をもつ病原体を判断することも可能になります。  最近の研究では、癌細胞と通常の細胞とを比較すると、ゲノム (DNA) の情報の一部が写し取られて生じる RNA の種類と量が、異なっていることが明らかになってきました。よって、癌細胞の特徴を示す特異的なRNAを「マーカー」として位置付け、その発現を検出することで、癌の存在を早期に特定することも可能になるでしょう。  私たちは、特定のDNAやRNAを、簡便、高信頼性、かつ複雑な測定機器を必要としない試験法で迅速に同定する技術を開発しています。そして、開発した核酸同定技術を医療現場に投入し、遺伝子診断技術の革新を通じ、社会還元を目指します。

 

研究成果

 

2016/02/11 リアルタイムPCRを手軽にデザイン -DNA定量や多型検出に最適な配列を解析するソフト「Edesign」-